『裁判員制度~もしもあなたが選ばれたら~』:他人事などひとつもない

区立図書館で中村雅俊監督・主演『裁判員制度~もしもあなたが選ばれたら~』のDVDを借りて観ました。
内容は他の広報ムービィと同音異曲ですが、本作品は中村雅俊が監督を務め、裁判官役を熱演しています。
裁判員役にも西村雅彦、加藤夏希、橘雪子などを配しており、出演陣の充実度も高いです。

さて、本作品のキモは、中村雅俊裁判官が第一回評議の途中で声高に訴える「いつか、誰かは被害者になり、加害者になるのです。無関心こそ最大の罪です」というセリフに集約されると思います。

裁判員の職務・職責を描くこと以上に、「他人事などひとつもなく、みんなでより良い社会を作るのだ」という、少々恥ずかしいともいえる、いわば「裁判員制度導入の狙い」を示すことにあるようです。
製作が法務省なので、そこいらあたりは、納得といえます。

映画でいえばジョン・グリシャム原作の『評決のとき』に弁護士が陪審員に訴えるクライマックスに似ているように思いました。
『評決のとき』の展開では、かなり強引な感じを受けましたが、本作品ではそのようには感じませんでした。

個人的には、裁判員が量刑まで決定する、確定判決後も守秘義務があるなど、アメリカの陪審員制度と異なり、かつ職務・職責が重いあたりに少々合点がいかないのですが、本制度が成功するか否かは、まさしく「事件は他人事ではない」という感性にかかっていると思います。

中村雅俊の監督ぶりは、スピーディなセリフのやりとり、短い尺の中での人物描写など、かなり達者で、特にキメの画も決まっているのが驚かされました。

<追記>
『夜逃げ屋本舗』シリーズの原隆仁監督がキャスティングされており、たぶん事件現場のバーのマスター役ではないかと思うのですが・・・。


↓政府インターネットテレビでダイジェストが観れます↓
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg243.html

※新たに「裁判員制度」のカテゴリを設け、過去記事を整理しました。

この記事へのコメント

カッサ
2009年03月18日 17:32
どこの図書館で借りたのですか?
2009年03月19日 23:54
カッサさま、コメントどうもありがとうございます。
東京都23区の区立図書館です。JRの駅の程近いところです。
参考になりましたか?

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