『Ricky リッキー』:オゾンも変わってきたよなぁ @ロードショウ・ミニシアター
フランソワ・オゾン監督の新作『Ricky リッキー』、サービスデイに観ました。
空席が目立って、お正月までもつのかどうか、ちょっと心配な感じ。
でも、まぁ、この方が観やすいので、いいといえばいいのですが。
さて、映画は、というと・・・
ありゃ、そういえば、フランソワ・オゾン監督の前作は『エンジェル』。
これは主人公の女性の名前でしたが、今回は、背中に翼が生えた赤ん坊のおハナシ。
天使? エンジェル? キューピッド?
いえいえ、背中に翼が生えた赤ん坊、です。
生まれたときは、翼なんて生えていなく、しばらくして、ニョキって感じで生え始めます。
生え始めは、ただの痣やコブみたいに見えるので、幼児虐待の疑いを持たれた父親は、家を出て行ってしまいます。
ふーむ、オゾンらしい。
で、そのコブみたいなのが伸びて、ニョキってなるんですが、手羽先そっくり。
グロテスク。
ふーむ、オゾンらしい。
翼が生えた赤ん坊のハナシなんだから、アメリカンコメディだったら、もっとコメディコメディした感じになるのでしょうが、そうでないところがオゾンのオゾンたるところ。
成長して翼もりっぱりになって、かなり自由に飛び回る赤ん坊も、光がすきなので光のあるところ追っかける、なんてのも、妙に生き物チック。
それがゆえに、どこかへ飛んでいっちゃうんですけど。
でも、そんな翼の生えた赤ん坊がいなくなってしまったがゆえに、家族の愛情が強くなる。
ありゃ、オゾンもまるくなったねぇ。
以前の彼なら、もっと皮肉で残酷な結末にしたかもしれませんねぇ。
次回作『しあわせの雨傘』は予告編をみるかぎり、もっとストレートなハッピー物語っぽくて、オゾンも変わってきたよなぁ、と実感しました。
評価としては★3つ半です。
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2010年映画鑑賞記録
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この記事へのコメント
映画を観ている間、思い出していました。
冒頭『赤ん坊の父親が出て行ってしまった。家賃も払えない…』と涙ながらに窮状を訴えるシングルマザーの姿が切実で、ツカミはバッチリ。
>コブみたいなのが伸びて、ニョキってなるんですが、手羽先そっくり。グロテスク。
最初から生えてないのがリアル。
血が出たり、毛が生えてなくて、ホントに
グロい…
天使みたいに、白い羽根じゃないし…
赤ちゃんがいなくなって、家族が再生してハッピーエンド。は、良いのですが、
フランソワ・オゾン監督
私には合わないわぁ…と再確認。