『しあわせの雨傘』:オゾン流ソープオペラ @ロードショウ・シネコン
2011年の劇場鑑賞第一作目はフランソワ・オゾン監督作品です。
『Ricky リッキー』で変わってきたなぁ、なんて思っていたところですが、さて今回の新作はというと・・・
時は1977年。
スペースオペラの傑作『スター・ウォーズ』が封切られた年。
フランスの小都市で雨傘工場を営むブルジョワ夫婦あり。
創業者はカトリーヌ・ドヌーヴの父。
ではあるが、経営危機を乗り越えたのは、彼女の夫ファブリス・ルキーニ。
暴君専制君主の夫が急な病で倒れたことからドヌーヴが会社経営に乗り出すことに。
時あたかも、労使紛争の真っ只中・・・
世間知らずの奥様が人望を集めて会社を立て直すハナシなんだろう、と高を括っていたところ、映画はあれよあれよとフェミニズム、女性の社会進出の物語になっていきます。
ふふぅん、勇ましい女性賛歌のハナシかいな、なんて油断していると、まぁしっぺ返しを喰うでしょう。
オゾン監督の演出は、誰も彼もが(特に夫のルキーニ)がガヤガヤとわめき散らして、怒鳴り散らして、兎に角、騒々しい。
ありゃりゃ、これはアメリカのテレビでのソープ・オペラの定石のような演出ですね。
とすれば、狙いはホノボノなところには落ち着かないはず。
夫の暴君ぶり・色悪ぶりもすごいのだが、夫からも子供からも「飾り壺」と称されているドヌーヴが夫を上回る色悪だったりするあたり、アメリカの傑作ソープオペラ『SOAP』を髣髴とさせるかそれ以上。
『Ricky リッキー』から変わってきたなぁなんて思っていましたけど、前々作の『エンジェル』からホームドラマをスパイスやヒネリやエスプリが効いたエンタテインメントで魅せようとしているのでしょうか。
いやいや初期に『ホームドラマ』を撮っているオゾン監督、変わってきているようにみせて、それほど変わっていないのかも。
評価は☆3つ半です。
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2011年映画鑑賞記録
新作:2011年度作品
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日本映画 0本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 0本)
旧作:2011年以前の作品
外国映画 1本(うち劇場 0本)
日本映画 0本(うち劇場 0本)
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