『パリ20区、僕たちのクラス』:日常を見たくて @レンタルDVD
大震災から数日経ちました。
当日仕事場で激しい揺れを経験するとともに、北関東へ出張を命じた部下の安否も心配でした。
幸いにして現在携わっている作業者全員無事でしたが、被災された方々に対しては心から痛みいります。
そのような中でのDVD鑑賞。
以前より気になっていた『パリ20区、僕たちのクラス』を鑑賞です。
たぶん、心の奥底で、日常に触れたいと思っていたのでしょう。
とはいえ、日本の日常ではなく、フランス・パリの日常を選んでしまうあたり、なかなか割り切れるものではありません。
さて、映画。
移民が多いパリ20区の中学校、13歳~15歳ぐらいのクラスの一年の物語です。
途中まで大きな事件は起こらないのですが、先生と生徒、みんなが活き活きと描かれています。
活き活きと、といっても、彼らすべてを好ましく感じるわけではないのですが。
途中まで、といったのは後半に大きな事件が起こるからです。
アフリカ系の少年の学校態度を問題視して開かれた職員・保護者・生徒代表の会議において、生徒代表の女子生徒の態度がだらしなかったことに端を発して、担任の教師が彼女たちの態度を「売女の態度」呼んだことことから、件のアフリカ系少年の業を煮やしてしまいます。
その態度の如何が懲罰会議にかけられ、少年は退学、そして故郷アフリカへと送られてしまいます。
そのような大事件ですが、そこへ至る過程も、それまでの日常生活も淡々と描かれており、突拍子もない出来事という印象はありません。
また、事件後も淡々と描かれており、ドラマ的・クライマックス的には、どちらかといえば拍子抜けといえなくもありません。
しかしながら、その淡々とした描写が、生徒と教師の溝、生徒間の溝を、緊張をもって描き出しています。
映画は劇映画ですが、ドキュメンタリータッチで描かれており、それが緊張感を醸し出しています。
ただし、ドキュメンタリータッチの演出は、自然な演技という意味では褒められますが、画の切り取り方は褒められません。
すなわち、手持ちカメラの揺れる画面、被写対象に寄りすぎのフレーム、かてて加えて横長のスコープサイズの画面。
DVD⇒家庭用テレビでは我慢できるフレームワークですが、劇場の大画面では少々厳しかったものと推測します。
ということで、評価は★3つ半としておきます。
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2011年映画鑑賞記録
新作:2011年度作品
外国映画 4本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 0本)
日本映画 2本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 0本)
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外国映画 5本(うち劇場 0本)←カウントアップ
日本映画 0本(うち劇場 0本)
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