『メアリー&マックス』:人間観察が深いクレイアニメ @ロードショウ・シネコン
オーストラリアに住む8歳の少女メアリーと、ニューヨークに住む40歳過ぎのマックス。
ふとしたキッカケで二人は文通をして、20年以上も離れた土地で友情を育んできました・・・
と書くとホノボノとしたヒューマンドラマを想像しますが、いやぁ、人間観察が奥深いクレイアニメーションでした。
登場するキャラクターも画面デザインも独特です。
どちらもモノトーンに近い画面構成で、オーストラリアはブラウン・セピアを基調とし、ニューヨークはブラック・グレーを基調としています。
オーストラリアは長閑だが乾いた感じ、ニューヨークは光の少ない闇の感じです。
そこにクラスメアリーもマックスも問題を抱えています。
メアリーは、アルコール中毒の母親から虐待といってもいいような環境育てられ、自分の容姿にコンプレックスを感じています。
でも、想像する力は有り余っています。
マックスは、ホントウに孤独で、ひと付き合いもできない巨漢でブサイクな中年男です。
孤独でひと付き合いも出来ないのにはワケがあるのですが・・・
そんなメアリーとマックスは、それぞれの文通が唯一の楽しみ。
そういっても過言でないほどの信頼関係を築きます。
しかし、マックスが孤独でひと付き合いもできない理由を知ったメアリーは、長じてから、ある行動にでます。
大学生となったメアリーにとって、それはマックスのことを考えての行動でしたが、慢心が潜んでいたかもしれず、マックスはメアリーの行動を裏切りと感じてしまいます。
ショックを受けたメアリーは、嫌っていた母と同じくアルコール中毒になっていきます・・・・
ええっ! いくら独特なデザインでも、やはりクレイアニメだから・・・、と高を括っていた私も、内容の深刻さにグサリグサリと胸を刺される思いがしました。
どんどんと悲惨になっていく物語なのですが、最後の最後にわずかばかりの、けれども深くて重い至福を感じさせてくれます。
万人にお薦めする類の映画ではありませんが、ミニシアター系の映画が好きなひとには是非とも観ていただきたい一本です。
評価は★4つとしておきます。
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2011年映画鑑賞記録
新作:2011年度作品
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