『しわ』:切なくなってしまう・・・認知症を扱ったスペインアニメ @DVD・レンタル

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認知症を扱ったスペインのアニメ『しわ』をDVD鑑賞しました。
限定的な劇場公開だったので見逃していましたが、はやくDVD化されて幸いです。
手描きの線、色使いが繊細で、重いテーマを抽象化するのに功を奏しています。

元銀行家のエミリオ。
認知症が進み、自宅のベッドを銀行の執務室と混同することもしばしば。
介護を続けていた息子夫婦の手を余すことになり、介護施設に入ることになった。
二階建てのその施設、二階は重篤な患者がはいり、一階は自分で身の回りのことができる比較的軽い症状の患者が入っている。
エミリオは一階でアルゼンチン帰りのミゲルと同室になり、施設での暮らしに慣れていくが、徐々に認知症は進んでいく・・・

先に述べたとおり手描きの線、色使いが繊細で、特に、回想や空想のシーンと現実のシーンとが自然と行き来する手法は特筆に値します。

エミリオの症例が進んでいくさまも、ボタンがはめられない、背広の上にセーターを着ている、寝る前に枕元に置いた腕時計をなくしてしまう、他人を疑りぶかくなるなど細やかに表現されています。

ミゲルをはじめ、施設のほかの患者の様子も秀逸です。

他人のことばをオウム返しに繰り返す元DJ。
症状の進んだ夫を介護するために、健康だけれど妻も一緒に入所した夫婦。
オリエント急行に乗って旅をしていていると思い込んでいる老女。
火星人に襲われると心配で心配でならず、他人の後ろをついていく女性。
いつも息子たちに電話をかけなければと思って右往左往している老女。
若いインストラクターとの運動が愉しみな、耳は遠いが、手ははやい爺さん、などなど。

後半、ミゲルが先導して、エミリオともうひとりいつも仲のいいおばあさんと三人で、自動車で冒険をするあたり、爽快感とその後ショック描写も効果的です。

終盤、症状が進行してしまったエミリオと、それを支えるミゲルの関係、あぁ、こういうのを、ホントの男の友情というんだろうなぁ、ともう若くないりゃんひさの胸にグググときました。

評価は、★4つ半としておきます。

<追記>
まちがいなく、秀作です。
DVDに特典映像として同時収録されている絵コンテも見所です。これがまた素晴らしい。

 



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2013年映画鑑賞記録

 新作:2013年度作品
  外国映画42本(うちDVD、Webなどスクリーン以外22本)←カウントアップ
  日本映画22本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 5本)

 旧作:2013年以前の作品
  外国映画49本(うち劇場 2本)
  日本映画10本(うち劇場 1本)
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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2013年12月07日 01:35
最初の場面から引き込まれました。昨今のアニメに比べ単純な作画なのに、まるで実写を観ているような重厚感。すばらしいの一言です。外国のアニメには、こういう弱者を扱った秀作(メアリー&マックスのように)があるのであなどれませんね。久々に深い余韻にひたりました。

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