『リヴ&イングマール ある愛の風景』:ベルイマンを巨匠に変えたリヴ・ウルマン @ロードショウ・単館系

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スウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマンと名女優リヴ・ウルマンの愛の日々を描いたドキュメンタリー『リヴ&イングマール ある愛の風景』をミニシアターにて鑑賞しました。
映画は、リヴ・ウルマンへのインタビューとベルイマンの映画からのシーン抜粋、それにふたりが暮らしたフォール島の風景などで構成されています。
観終わっての感想は、非常に興味深い、です。
さて、映画。

先に記したとおり、リヴ・ウルマンへのインタビューが映画の全編を占めています。
また、インタビューアの声は入らないので、ほぼ、リヴ・ウルマンの回想、といっていいでしょう。

そこから浮かび上がる人間・ベルイマン像は、芸術的才能は図抜けているが、傲岸で自己中心的で、愛に飢えて孤独、といったところでしょうか。

そのリヴの言葉を裏打ちする確証のように、ベルイマンの映画のシーンを抜粋して挿入していきます。
登場する映画のシーンには、日本未公開作も多く、(パンフレットによると、)『恥』『狼の時刻』『沈黙の島』などです。

そんな傲岸で自己中心的で、愛に飢えて孤独なベルイマンが、リヴとの出遭い・暮らし・別れを経て、ひととして成長して(深みをまして)いきます。

リヴと出遭った当初のベルイマンは、20歳以上も離れた彼女に対して、「母親のような、いつも自分を包んでくれる存在」を求めた。
そんな彼が、アメリカに渡ったリヴを励まし、慰め、陰から応援する、と変わっていきます。
別れてから何年もして、「飛行機嫌いの彼が、1泊2泊でニューヨークに来たの。それも、私の舞台を見るためだけに」と、リヴは言います。

ベルイマンの映画をそれほど観ているわけではないのですが、ベルイマンの映画は、リヴ・ウルマンとの別れ以降、『第七の封印』にみられる先鋭的な描写は鳴りを潜め、『秋のソナタ』にみられるような人間に肉薄するような映画スタイルになっていったのではありますまいか。
そうならば、リヴ・ウルマンがベルイマンを、鬼才から巨匠に変えた、といってもいいかもしれません。

ベルイマンの映画が、リヴ・ウルマンへの(厳しいながらも)愛の問いかけ、ならば、この映画で語られるリヴ・ウルマンの言葉は、その返答なのかもしれません。
フォール島の美しい風景の向こうに、監督と女優が紡いだ美しいなにかを見たように感じました。

評価は★4つとしておきます。

この映画に登場するベルイマン作品<『沈黙の島』は商品がありません>
 

 

 

 

 

 

 

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2013年映画鑑賞記録

 新作:2013年度作品
  外国映画50本(うちDVD、Webなどスクリーン以外28本)←カウントアップ
  日本映画28本(うちDVD、Webなどスクリーン以外 7本)

 旧作:2013年以前の作品
  外国映画52本(うち劇場 2本)
  日本映画10本(うち劇場 1本)
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この記事へのコメント

ぷ~太郎
2014年01月12日 01:00
なるほどね。「リヴ・ウルマンがベルイマンを、鬼才から巨匠に変えた」とは妙に納得しました。正に理想のカップルだったんですね。

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