『めぐり逢わせのお弁当』:コミカルなめぐり逢い映画ではありません @ロードショウ・単館系
歌も踊りもないインド映画『めぐり逢わせのお弁当』、ロードショウで鑑賞しました。
過去に『スタンリーのお弁当箱』という同じくお弁当を題材にした小学生が主人公のインド映画がありましたが、こちらはおとなのハナシ。
インドでは20万人が利用するというお弁当配達サービスで、まちがった相手に届けられたお弁当からロマンスらしきものが起こるというもの。
さて、映画。
ムンバイに暮らす主婦イラ。
小学生の女の子と夫の3人で団地暮らし。
夫との間は冷え切っているが、不平不満は口に出さず、毎日、夫へのお弁当を作って、配達サービスで届けてもらっている。
ある日、そのお弁当が間違った相手に届いてしまった。
届いた相手は、保険会社の査定係を務める初老の男性サージャン。
数年前に妻を亡くして独り暮らし。
お弁当は、惣菜屋の配達弁当を利用している。
翌日から、お弁当とともに、手紙のやり取りがはじまった。
顔も知らない相手だが、ふたりはいつしか、少しずつ心を開いていく・・・
と、まぁなんと古典的。
書簡小説を映像化したような内容です。
観る前はハリウッド映画の『めぐり逢えたら』や『ユー・ガット・メール』のような少々コミカルな味付けを期待していました。
ですが、なんと、淡々とした映画でしょうか。
悪い言い方をすれば、盛り上がりに欠ける、であります。
随所に映画らしい工夫はしているのですが、どうも深掘りが足りないように感じました。
工夫は、例えば、イラ側の描写でいけば、
イラの階上に住むおばあさんの姿を映さず、声だけで処理しているところ。
途中から、計算が透けてみえて、かえって琴線に触れづらいような感じ。
深掘りが足りないという点では、映画の前半(3分の1あたりまで)描かれていたイラと夫とのハナシも、途中から夫が画面に現れず、これもまた映画の動きを止めています。
サージャン側も亡くなった妻を彼がどれだけ大切に思っているかとか、意外と描けておらず、若い(まだ遭っていないので、若そうな)イラとの間で心が逡巡するあたりがあまり描けていないように感じました。
行間を読むたぐいの映画ではないはずなので、ちょっとスタイルにこだわり過ぎて、演出がこなれていないのではありますまいか。
ということで、評価は★3つとしておきます。
------------------
2014年映画鑑賞記録
新作:2014年度作品:61本
外国映画39本(うちDVDなど 8本)←カウントアップ
日本映画22本(うちDVDなど 0本)
旧作:2014年以前の作品:122本
外国映画96本(うち劇場 9本)
日本映画26本(うち劇場 5本)
------------------
この記事へのコメント