『アナザー・カントリー』:英国のパブリックスクールは小英国 @DVD・レンタル
先日観た『イミテーション・ゲーム』、映画を表すキーワード「30年代」「英国」「同性愛」から連想したのが、この映画『アナザー・カントリー』。
ロードショウ時に観ているのですが、すっかり忘れてしまっているので、この際にということで再鑑賞しました。
1983年・モスクワ。
米国の女性ジャーナリストが、ソ連に亡命した元スパイ、ガイ・ベネットにインタビューを行う。
老いたベネットから語られたのは、30年代英国パブリックスクールでの生活のこと・・・
と、現代からスパイになる前の青年時代を振り返るもの。
パブリックスクールは「小さな英国」(これがタイトルの由来)といってほどの階級社会。
学生たちの社会は、年長の学生たちが自主権のもとに一部の特権階級が牛耳っている。
そのヒエラルキーは、幹事、代表、一般生徒と区分され、幹事・代表は良家の子息たちが務めている。
そして、学生時代にどの役職を務めたかが、のちのちの社会での役職に通じてしまう。
ベネットは最上位の階級の出ではないが、上からふたつめの代表を務めている。
そして、野心と反骨が相混じるなかで、生来からの同性愛者としての生き方は捨てることはできない。
幹事たちの幾人かとは過去に関係を持ち、そのことを恐喝まがいの武器として、幹事・幹事長の座まで登り詰めたい。
しかし、当時、タブー視されていた同性愛嗜好が公になり、彼は代表の座も失ってしまう・・・
おぉ、こんなハナシだったのかぁ、まるっきり忘れていました。
映画としては、うーむ、それほど面白くない。
というか、学生たちのヒエラルキーがよく判らないのと、ベネットが敵愾心を燃やす幹事学生たちの嫌らしさが少ないから。
また、ベネットが反骨精神からか、やたらと目立つ行動をとっており、自分で自分の首を絞めているのではなかろうか、と少々あきれてしまうところもある。
俳優陣は、ベネットをルパート・エヴェレット、彼が愛するハーコットをケアリー・エルウィス、ベネットの親友で共産主義者のトミー・ジャッドをコリン・ファースが演じている。
いずれも若い。
が、現在の変貌した3人を知っているだけに、ルパート・エヴェレットとケアリー・エルウィスのふたりは品がなく見えてしまう。
さすがにコリン・ファースは品よく、声が渋いのには驚かされる。
(コリン・ファースは、これが映画デビュー)
ピーター・ビジウのカメラは美しく、「奥ゆかしい」ともいえますがいが、映画としてはちょっと雰囲気が勝ち過ぎ。
評価は★3つとしておきます。
<追記>
同じように、周囲の社会に幻滅してスパイに走る映画として、ジョン・シュレシンジャー監督の『コードネームはファルコン』も同じころに製作されていますね。
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2015年映画鑑賞記録
新作:2015年度作品:15本
外国映画11本(うちDVDなど 0本)
日本映画 4本(うちDVDなど 0本)
旧作:2015年以前の作品:35本
外国映画28本(うち劇場 6本)←カウントアップ
日本映画 7本(うち劇場 0本)
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この記事へのコメント
これ、映画はだめなんですけど、コリン・ファースが魅力的でした。
もうすぐコリン・ファース主演のウディ・アレン映画が公開されます、楽しみです。
コリン・ファースは「栴檀は双葉より芳し」、歳を経てますます魅力的なったと思います。
さて、ウディ・アレンの新作ではいかがなものかしらん。