『アナザー』:S・ジャプリゾの『新車のなかの女』の映画化 @DVD・レンタル

画像

今年2016年のカリテ・コレクションで小規模公開されたサスペンス映画『アナザー』、DVDで鑑賞しました。
原作は、セバスチアン・ジャプリゾが1966年に発表した小説『新車のなかの女』(未読)。
小説の日本版タイトルとは似ても似つかないタイトルが付けられているので、原作があるとはなかなか気が付かない。
それにしても、昨年、小説の新訳も出版されたのに、どうしてこんなタイトルを付けたのかしらん?
さて、映画。

1960年代後半ぐらいのフランス・パリ。
女性秘書のダニー(フレイア・メイヴァー)は、社長ミシェル(バンジャマン・ビオレ)の依頼で、急遽、社長宅で50頁分のレポートの改訂作業をする羽目となった。
仕事はどうにか仕上げ、翌日、南仏ニースへ旅立つ社長夫妻を空港まで送り届けた。
その帰り道、社長の新車サンダーバードを駆っていたダニーは、気晴らしにその車で南仏へバカンスに繰り出すことにした。
しかし、彼女の行く先々で、彼女は声を掛けられる。
昨日も来ただろう、と・・・
そのうち、新車の後部トランクに見覚えのない死体が入っていることに気づく・・・

というハナシは、同じくジャプリゾの小説『シンデレラの罠』を思い出させるような、記憶にない出来事のサスペンス。

果たして、ダニーは、記憶にはないが、殺人を犯してしまったのだろうか・・・
というところでサスペンスを盛り上げねばならないのだが、少々まだるっこしく、サスペンスが醸成されない。

まぁ、登場人物が少ないので、記憶違いの事件でなければ、真相には容易に辿り着いてしまうのだが、60年代後半の雰囲気はうまく醸し出されている。
また、分割画面などを用いて、サスペンスも出ている方。

主演のフレイア・メイヴァーは、そばかすだらけでそれほど美人ではないが、役どころにはマッチしている。
社長夫人役には、最近売り出し中のステイシー・マーティン(『五日物語 3つの王国と3人の女』で若返ったドーラを演じている)。
脚本は『ハリー、見知らぬ友人』や『ボン・ヴォヤージュ』などのジル・マルシャンと、晩年のクロード・シャブロル監督作品『石の微笑』『引き裂かれた女』のパトリック・ゴドーが書いている。

評価は★★★(3つ)としておきます。
画像

------------------
2016年映画鑑賞記録

新作:2016年度作品:129本
 外国映画89本(うちDVDなど21本)←カウントアップ
 日本映画40本(うちDVDなど 6本)

旧作:2016年以前の作品:103本
 外国映画82本(うち劇場18本)
 日本映画21本(うち劇場 7本)
------------------

この記事へのコメント

ぷ~太郎
2017年01月08日 02:47
題名が面白そうなので観ましたが、失敗でした。トリックはすぐ想像がつくし、俳優も魅力がないし、そのわりにはやたらもったいぶった構成だし。う~ん、つまらん。
2017年01月08日 22:46
ぷ~太郎さん、コメントありがとうございました。
何分、古い小説が元なので・・・
ま、そのちょっとアナクロなところが良かったりもするんですが。

この記事へのトラックバック