『長いお別れ』: くりまるな、ゆーとすればいいんだ @ロードショウ・シネコン

画像

『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督最新作『長いお別れ』、ロードショウで鑑賞しました。
前作はオリジナル脚本でしたが、今回は中島京子の同名小説が原作。
さて、映画。

かつて中学校の校長をしていた厳格な東昇平(山崎努)。
ふたりの娘は独立し、妻・曜子(松原智恵子)とふたり暮らし。
昇平の70歳の誕生日に、長女・麻里(竹内結子)、次女・芙美(蒼井優)は久々に実家に顔を出し、一家が揃った。
が、そこで母から父が認知症を発症している旨を告げられる・・・

といったところから始まる物語で、認知症を扱ったドラマも多く、ドキュメンタリーには佳作・秀作も何本もあり、いまさら・・・感もある。

期待するところは、前作『湯を沸かすほどの熱い愛』でみせた中野量太監督の熱い演出なのだが、前作程の熱さがない。

ベテラン山崎努、実力派・蒼井優の見ごたえある演技で飽きずに観れるが、妻や長女の人物造形が類型的すぎる。

冒頭と終盤に登場する遊園地のシーンなんかは、やはり監督の演出力を感じさせるが、アメリカ住まいの長女とその息子の話など、ノーリアリティといってもいいぐらい。

とはいえ、途中、昇平が芙美にアドバイスする「くりまるな、ゆーとすればいいんだ」なんて、印象的な台詞もあり、そう悪い点も付けたくないなぁとも思います。

評価は★★★☆(3つ半)です。

------------------
2019年映画鑑賞記録

新作:2019年度作品:36本
 外国映画33本(うちDVDなど 3本)
 日本映画 3本(うちDVDなど 0本)←カウントアップ

旧作:2019年以前の作品:49本
 外国映画37本(うち劇場鑑賞 8本)
 日本映画12本(うち劇場鑑賞 3本)
------------------

この記事へのコメント

ぷ~太郎
2019年07月31日 15:30
ガッカリしました。前作があったので、どうしても期待してしまいました。今回はなんか、うわべだけというか、中につっこんでいく熱意がなかったです。形だけ最初につくって、中身が伴わなかったといいましょうか。原作の小説に難点があったのかもしれませんが、次回作はまたオリジナルでお願いしたいです。

この記事へのトラックバック

  • 長いお別れ

    Excerpt: 中学校校長も務めた厳格な父・昇平の70歳の誕生日会で、母・曜子は父が認知症になっていると娘たちに告白した。 夫の赴任先アメリカで暮らす長女・麻里はどうすることもできず、カフェ開業の夢を抱く次女・芙美が.. Weblog: 象のロケット racked: 2019-06-29 00:32