『主戦場』:鳴り響く音楽や扇情的な字幕などの演出は、ちょっとね・・・ @名画座
名画座2本立てのもう1本は従軍慰安婦問題を扱った『主戦場』。
あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」で上映中止となったドキュメンタリー映画と記憶しているが、あれは「平和の少女像(慰安婦像)」撤去だけだったか・・・
さて、映画。
従軍慰安婦問題に関心を持った日系アメリカ人のドキュメンタリー作家ミキ・デザキ。
関心のきっかけは、日韓から遠く離れた米国に「平和の少女像(慰安婦像)」が建てられるようになったこと。
さて、強制連行、性的奴隷といった実態は、あったのか、なかったのか。
双方の主張をインタビューして、デザキなりの実態に迫っていく・・・
といった内容で、2本立てで先に観た『i 新聞記者ドキュメント』が「ひとに迫るドキュメンタリー」ならば、こちらは「コトに迫るドキュメンタリー」。
個人的には「ひとに迫るドキュメンタリー」の方が断然好きで、「コトに迫るドキュメンタリー」はどちらかというと好きな形式ではありません。
「コトに迫るドキュメンタリー」でも科学分野ならば、客観的に冷静に、さらに「ほぉ、なるほど、これが真相か!」となるのですが、こと政治が絡んだコトになってくると、どうしてもイデオロギーが全面に出ちゃう。
そうすると、演出が押しつけがましくなりがちで、鳴り響く音楽や扇情的な字幕などが多くなりがちで、観ていて疲れてしまう。
ということで、この映画もそんな演出の呪縛からは逃れられず・・・
もう少し、淡々と演出した方が、コトの本質がわかりやすかったと思うのですが、いかがなものかしらん。
それにしても、「なかった」派のひとびと、目が笑ってませんね。
笑える内容ではないですが、どことなく死んでいるというか・・・そんな感じでした。
評価は★★★☆(3つ半)としておきます。
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2020年映画鑑賞記録
新作:2020年度作品: 48本
外国映画39本(うちDVDなど10本)
日本映画 9本(うちDVDなど 0本)
旧作:2020年以前の作品: 63本
外国映画39本(うち劇場鑑賞 4本)←カウントアップ
日本映画24本(うち劇場鑑賞 2本)
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この記事へのコメント
たしかに音楽はちょっと・・・という記憶があります。
この映画の印象は、映画がどうとかいう以前に、なかった派の主張が個人の感情でしかないのが寒かったです。
あった派と闘うレベルにないんですね~。
「なかった」派の主張は明らかにお粗末でした。彼らの主張の根底は「慰安婦は皆、自由意志だった」、いわゆる自己責任論に転嫁しようとしているところでしょうね。
自己責任論には、ある種、国家での責任放棄という側面も感じられます。最近のコロナ対応をみても・・・