『縄文にハマる人々』:わたしも「にわか縄文にハマる人」 @ホール上映
2018年に公開されたドキュメンタリー映画『縄文にハマる人々』、ホール上映で鑑賞しました。
日本の考古学発祥の地・大森貝塚に近い場所での上映です。
上映前に大森貝塚保存会会長と本映画の監督の話があり、関西出身の監督にとって「奈良・京都がある関西では、縄文時代はポピュラーでなく、関心も薄い」という話には「なるほど」と納得しました。
かくいうわたくしも、平城宮以前の、大化の改新直後に造営された難波長柄豊碕宮(なにわながらとよさきのみや)にほど近いところの出身なので、「ふーん、縄文?」という感じでした。
しかし、偶然訪れた青森県八戸の是川縄文館で、多数の縄文遺跡に魅了されました。
ほんとに偶然。旅行中に時間が出来たので、半日程度で行けるところ、という理由で出かけたので、下調べ皆無。
国宝の「合掌土偶」(通称・いのるん)が展示されていることも知りませんでした。
その上、「合掌土偶」は全国展示行脚から戻ってきたところ。
他の訪問客がいない中で、じっくりと観察でき、その小ささ、その精巧さに驚嘆したものです。
(個人的には、あれは祈っているのではなく、屈葬の様子を表現したもの、ある種の形代ではないかと思いましたが)
その他、多数の土偶・土器群もさることながら、驚かされたのは、漆塗りの用具。
弓や籠、櫛に腕輪など。
土器に漆を塗ったものまであります。
日本技術の最先端。それも1万年前!
驚きです。
(ここんところは映画ではあまり取り上げられていません)
漆が塗られているので、土中から発掘されても、痛みが少ない。
日本技術の原点!ですね。
もうひとつは、翡翠。
日本で翡翠が産出されるのは、糸魚川静岡構造線上で、主として日本海側。
1万年前に、青森と新潟で交流交易があった!
ビックリです。
(ここんところは映画で少し描かれています)
そして、その翡翠にも精巧な加工が施されている。
映画では、縄文の魅力を、生命の循環に落とし込んでいきますが、いわゆる生き物としての原初的欲求と、人間としての技術・テクノロジー追及欲求の萌芽の時期が、縄文の時代だったのではありますまいか。
と、にわか縄文にハマる人々を生み出すのが、縄文の魅力。
そして、解釈も自由。
古事記・日本書紀という、ある種の枠すらなかった、枠の外にある時代。
縄文にハマる人々が続出するというのは、現代の枠組みがかなり(とても)非常に(非情に)強まってきているからかもしれません。
評価は★★★☆(3つ半)としておきます。
------------------
2020年映画鑑賞記録
新作:2020年度作品: 66本
外国映画51本(うちDVDなど18本)
日本映画15本(うちDVDなど 2本)
旧作:2020年以前の作品: 78本
外国映画52本(うち劇場鑑賞 7本)
日本映画27本(うち劇場鑑賞 4本)←カウントアップ
------------------
この記事へのコメント