『幸せへのまわり道』:映画を引き締めたミスター・ロジャースのピアノ低音鍵盤連打シーン @DVD
昨年8月に公開されたトム・ハンクス主演映画『幸せへのまわり道』、DVDで鑑賞しました。
この映画についてはDVDリリースされるまで知りませんでした。
特定のシネコンチェーンで上映されたようで、そのシネコンがご近所になかったためで、「ご近所さん」へのまわり道、となった次第です。
(原題「A BEAUTIFUL DAY IN THE NEIGHBORHOOD」と、日本タイトルとを掛けています)
さて、映画。
辛辣な記事を書く雑誌記者ロイド・ヴォ―ゲル(マシュー・リス)。
ここのところ仕事がいまひとつだった彼のもとにきた依頼は、人気子供番組「ご近所さん」の人気司会者フレッド・ロジャース(トム・ハンクス)へのインタビュー記事。
あまり気の乗らないインタビューの前に彼が経験したのは、姉の再婚式でのこと。
不仲だった父ジェリー(クリス・クーパー)との再会で、わだかまりはさらに強固なものとなった。
そんな気持ちを抱えたまま、ミスター・ロジャースの仕事場へ出かけたロイドだったが、短いインタビューの中で、逆にミスター・ロジャースから質問を受けて困惑してしまう・・・
といったところから始まる物語で、実質的な主役は記者のロイド。
彼と父親との物語で、アメリカ映画お得意の「父子もの」である。
わだかまりがほどけていく様を描いていくわけだが、その仲立ちとなるのがミスター・ロジャース。
誰に対しても常に優しく謙虚な態度を崩さないミスター・ロジャースは、ロイドにとっての「仮の父親」、もしくはカウンセラーのような役割。
常に優しく謙虚な態度は、トム・ハンクスが演じていることもあって、「フォレスト・ガンプ」の延長線上にあるようにもみえます。
そんな触媒で最終的に父と息子は和解するのだが、それだけならば、ちょっと物足りない。
スパイスとなるのは、常に優しく謙虚な態度のミスター・ロジャースにだってストレスはある・・・という人間性をみせるシーン。
そんなときは、ピアノの低音部の鍵盤は闇雲の叩く、という言葉どおり、番組収録を終えたミスター・ロジャースが、スタジオの隅のピアノを優雅に弾き始めたものの、途中で低音鍵盤を闇雲に叩くのである。
このシーンで映画がピリリと引き締まった。
エンドクレジットでは本物のミスター・ロジャースが映し出されるが、不勉強なので、はじめてみた次第。
日本でいうと、『できるかな』のノッポさん、といったところでしょうかねぇ。
ピリリと引き締まったシーンを加点して、評価は★★★★(4つ)としておきます。
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2021年映画鑑賞記録
新作:2021年度作品: 1本
外国映画 1本(うちDVDなど 0本)
日本映画 0本(うちDVDなど 0本)
旧作:2021年以前の作品: 9本
外国映画 6本(うち劇場鑑賞 1本)←カウントアップ
日本映画 3本(うち劇場鑑賞 0本)
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この記事へのコメント
偽善的というか、親切の押し売りというか・・・ってところですかねぇ。
ただ、ちょっとした表情が怖くて・・・というトムさんが凄いです。
でも、わたしもこういう人苦手。
本物さんは神学を勉強されて聖職者?の資格をお持ちとか、なるほど~です。
わたしも、個人的にはミスター・ロジャースのようなひとは苦手ですね。