『アルプススタンドのはしの方』:巻頭から否定スイッチがオンになっちゃったので・・・ @DVD
昨年夏公開の日本映画『アルプススタンドのはしの方』、DVDで鑑賞しました。
無名の監督と無名の俳優さんたちだが、世評もいいようなので、どんなものかしらん、というわけで・・・
さて、映画。
甲子園、夏の高校野球大会に出場の埼玉県の公立高校。
1回戦の応援に集まったアルプススタンドの端の方に、野球のことなど全く知らない演劇部の女子生徒ふたりと、元野球部の男子生徒がいた・・・
といったところから始まる物語で、タイトルどおり「アルプススタンドの端の方」を舞台にしたワンシチュエーションの青春映画。
ですが、巻頭早々、後ろに木立が見えている低そうなスタンドは甲子園に見えないなぁ・・・県大会の準決勝ぐらいのネタでもいいんじゃない? と否定スイッチが入ってしまったので、この後はどうにもならない。
演劇部の女子生徒ふたりのうちひとりは、脚本家兼演出担当の部長のようで、県大会では優勝したものの全国大会には部員のインフルエンザが原因で出場できなかったことがわかってくる。
そして、インフルエンザに罹ったのが、いっしょにいる女生徒。
だが、部長が抱いている残念感と、残念に対する納得感が、彼女にはそれほど真剣にわかっていない・・・
一方、男子生徒は、野球部の補欠のピッチャーで、甲子園出場の原動力となったエースに影に隠れてしまっていることに嫌気がさして退部。
エースへのやっかみはまだしも、同じ補欠仲間の黙々とした努力を馬鹿にしているあたりが、個人的に不愉快。
と主要3人のうち、ふたりが他人の気持ちを慮ることのできない(慮るまでいかなくても、想像することができない)人物設定のようなので、ますます否定スイッチはオン。
最後に、男子生徒が馬鹿にしていた補欠部員が一瞬のきらめきをみせるエピソードが示されるが、映画としてはここで彼を写すべきで、それまでの「アルプススタンドのはしの方」だけの閉塞感に風穴を開けるショットが必要。
(演劇においては、その必要はなく、今回のような3人のリアクションで十分なのだが)
ということで、個人的にはツマラナイ映画でした。
評価は★★(2つ)としておきます。
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2021年映画鑑賞記録
新作:2021年度作品: 1本
外国映画 1本(うちDVDなど 0本)
日本映画 0本(うちDVDなど 0本)
旧作:2021年以前の作品: 3本
外国映画 2本(うち劇場鑑賞 1本)
日本映画 1本(うち劇場鑑賞 0本)←カウントアップ
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この記事へのコメント
無名な役者ばかりなので、キャストの魅力が無いと、よほど内容が面白くないと楽しめませんよね。
これは、トリトンさん向きではないでしょう。
>社会人になった彼らの話は全く蛇足です。
そのとおりですね。
作り手が元の戯曲に満足しきっている感がありました。