『硫黄島の砂』:オーソドックスなホームドラマと結合した戦争映画 @DVD
DVD鑑賞月間、次なる鑑賞は『硫黄島の砂』、1949年製作のアメリカ映画。
先に鑑賞した『地獄の戦場』の姉妹編(男ばかりの映画だから、兄弟編というべきか)。
製作年度でいうとこちらが年上です。
なお、この映画も買い置きDVD(セット物)での鑑賞。
さて、映画。
太平洋戦争最盛期、ガダルカナル島での攻防後のはニュージーランドで補充兵を持つ米国海兵隊の一分隊。
分隊長は歴戦の勇者ストライカー軍曹(ジョン・ウェイン)。
新たに配属された隊員の中に、ストライカーが敬愛するコンウェイ大佐の息子ピート(ジョン・エイガー)がいた。
太平洋戦争が始まって後、家族と別れ、妻子とは交流が途絶えているストライカーにとって、コンウェイ大佐は父ともいえる存在だった。
その大佐は戦死し、再び家族を失ったストライカーにとって、ピートは弟とも思える存在だったが、ピートには軍人一家のコンウェイ家は忌むべきそんざいだった・・・
といった多分にホームドラマ的要素を含みながら進められる、米国海兵隊賛歌。
ドラマ的要素もなかなか興味深いのだが、米国によるタラワ攻略、硫黄島攻略を盛り上げる要素としかなっていない。
ま、そんな批判はそもそもが米国海兵隊賛歌映画に対しては「的外れ」だし、コンウェイ大佐と同様に、敵地攻略直前に命を落としてしまうストライカーに対して、米国観客は涙したのだろう。
と、「感動するのは米国観客・・・」と思っていたが、1952年の日本初公開当時も本映画は大ヒットした旨が双葉十三郎の「ぼくの採点表」でうかがえる。
なるほどねぇ、オーソドックスな父子モノを背景にした英雄譚は、彼我を問わず受け入れられたのでしょう。
なお、戦闘シーンのほとんどはフッテージフィルム。
ありものを活かしての映画づくりとしては見本のようなところもあります。
また、劇中でジョン・ウェインが斃れるのは、本作以外には『11人のカウボーイ』(1972)ぐらいしか思いつきません。
評価は★★★☆(3つ半)としておきます。
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2021年映画鑑賞記録
新作:2021年度作品:11本
外国映画 6本(うちDVDなど 0本)
日本映画 5本(うちDVDなど 0本)
旧作:2021年以前の作品:32本
外国映画26本(うち劇場鑑賞 1本)←カウントアップ
日本映画 6本(うち劇場鑑賞 0本)
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