『散り行く花』:リリアン・ギッシュは初代スクリーミングクイーン @DVD

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D・W・グリフィス監督の1919年作品『散り行く花』、買い置き中古DVDで鑑賞しました。
1919年!
100年以上前、前世紀も前世紀、で作品はサイレント映画です。
サイレント映画は、学生時代に十数本観ていますが、本作は未見。
可憐、といわれるリリアン・ギッシュの若い頃の作品を観るのは、本作が初めて(たぶん)。
さて、映画。

20世紀初めの中国。
ひとりの青年(リチャード・バーセルメス)が仏教を布教しようと母国を旅立った。
彼がたどり着いた英国では布教活動など叶うはずもなく、憂さ晴らしとしてアヘンに手を出しつつも、小さな雑貨店を経営して、糊口を凌ぐのがやっとだった。
一方、幼い頃に母を亡くした15歳のルーシー(リリアン・ギッシュ)は、ボクサーの父(ドナルド・クリスプ)とともに、川岸の立ち並ぶ貧民窟で生活をし、父の食べ物を得るのがやっとのあり様、ルーシーは父の食べ残しを食べ、父の憂さ晴らしに折檻される毎日だった・・・

といったところからはじまる物語で、そんな中、ある日、父のもとを逃げ出したルーシーが瀕死の状態でたどり着いたのが中国人青年の店の前、中国人青年に介抱されるルーシーをよそに、ルーシーの父はボクシングの試合をし、勝利の後、ルーシーの居所を突き止め、悲劇が重なっていく、という物語。

あらすじをざっと書くとこれぐらいなのだけれど、丁寧な演出でおおよそ80分ほどの長さになっています。

鑑賞したDVDは染色版で、室内がブラウン系、屋外がブルーと色分けされていました。
また、オーケストラの伴奏もつけられており、無音で観るサイレント映画のような、ちょっとまだるっこいとか、わかりづらいということはありませんでした。

おおよそ3分の2程度までは「ドラマ」という感じなのですが、後半はほとんど「ホラー」。
中国人青年の店の2階からルーシーを連れ帰った父は折檻をしようとして、鞭を手にします。
恐れおののいたルーシーは何度に逃げ込み、父親は斧をもって何度のドアを打ち破ろうとします。

おののくルーシーの顔、折檻しようとして近づく父親の顔。
振り降ろされる斧。
絶叫するルーシー・・・って、いやぁもう、キューブリック監督の『シャイニング』ではありますまいか。

石化の果てにあの世に旅立つルーシーは、最後の最後、笑顔をつくろうとして、手で唇を持ち上げる。
あ、これもどこかで観たような。
ゴダール監督の『勝手にしやがれ』か。

自分の店の2階からルーシーがいなくなったことに気づいた中国人青年は、ルーシーの家に向かい、そこで父親と対峙します。
取り落とした斧を拾おうとするルーシーの父。
いち早く、拳銃を握る中国人青年。

ここいらあたりの演出のタイミングは100年前から完成していた、ともいえるような出来栄え。

その後、ルーシーの亡骸を連れ帰り、仏教の秘術を施すも蘇らず(というか、成仏を祈っているだけだから蘇らないんだけれども)、失意の中国人青年も自らの命を絶つ・・・

って、やはり、後半はホラー要素が満載です。

ということで、初代スクリーミングクイーン(絶叫女優)は、リリアン・ギッシュということでよろしいでしょうか。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。

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2021年映画鑑賞記録

新作:2021年度作品:58本
 外国映画36本(うちDVDなど16本)
 日本映画22本(うちDVDなど 7本)

旧作:2021年以前の作品:80本
 外国映画55本(うち劇場鑑賞 4本)←カウントアップ
 日本映画25本(うち劇場鑑賞 5本)
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