『老後の資金がありません!』:『男はつらいよ』『東京物語』の幻ちらつく面白さ @ロードショウ

老後の資金がありません.jpg

天海祐希主演の東映配給作品『老後の資金がありません!』、ロードショウで鑑賞しました。
『総理の夫』に続いて公開されている東映配給のコメディです。
旗艦館で平日の夕方前の回に鑑賞しましたが、そこそこの入り。
シネコンの中規模スクリーンなら、半分ぐらいは埋まっているぐらいの入り。
中程度のヒットといったところですね。
さて、映画。

東京郊外の一戸建てに暮らす篤子(天海祐希)と章(松重豊)の50代夫婦。
章の父が90歳で大往生を遂げた。
妹夫婦(若村麻由美、石井正則)と話し合ったところ、喪主は章が務めることに。
元・浅草の老舗和菓子屋だったこともあり、見栄坊の母・芳乃(草笛光子)の意向を聞き、豪華な葬式を執り行ったが、会葬者は集まらず、300万円以上の出費となってしまった。
さらに、娘の結婚、篤子のパート期間満了(早い話がパート切り)、章の会社の倒産と悪い時には悪いことが重なるもの。
とうとう貯金も底をついてきた。
ケア付き高齢者住宅に入居している芳乃の月々の費用9万円の負担が重くなり、章の妹夫婦と話し合ったが、勢い余って篤子が「お義母さんは元気だし、うちで引き取る!」と言ってしまった。
芳乃は、「わたしの年金を家計の足しにしてください」とはいうものの、見栄坊ゆえに散財がヒドイ・・・

といった物語で、これでだいたい半分ぐらいのところかしらん。

タイトルどおり、どんどんと「老後の資金がありません!」状態になっていくのですが、途中から方向転換。

はじめは反りの合わなかった篤子と芳乃だが、篤子の友だち(柴田理恵)から「父がプイと出て行ったきり帰らない。年金受給のための本人確認ができない・・・」と泣きつかれて、の大騒動がきっかけで仲が良くなる。

この騒動がとにかく爆笑噴飯。
雰囲気的に、『男はつらいよ』初期の寅とおいちゃんと大喧嘩に似ていて、とにかく笑わせる。
巻き添えを食ってしまう役所の職員役・三谷幸喜も面白い。

その後、芳乃が生前葬をやると言い出しての一騒動。
生前葬エピソードのまとめは、主要な登場人物が一堂に会してしあわせな雰囲気で、さぞかし現場は楽しかっただろう。

この篤子と芳乃の雰囲気に絆されて、母娘の情が沸き起こった章の妹が、芳乃を引き取ると言い出して・・・
おお、ビックリ、これは『東京物語』の逆バージョンじゃありますまいか。
東映作品で、コメディとはいえ、『東京物語』の幻影を観るとは予想だにしなかったです。

最後は、ひとひねり、中盤の伏線を回収しての決着で、『老後の資金がありません!』のタイトルも回収しての着地点。
まぁ、ちょっと絵空事・ファンタジーの誹りはあるかもしれないけれど、この決着でいいんじゃないかなぁ。
同じ回を鑑賞していた年配の観客たちも満足そうだったからね。

予想以上の拾い物といったところ。
先にDVDで観た『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』と併せて観ると、より楽しめます。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。

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2021年映画鑑賞記録

新作:2021年度作品:62本
 外国映画36本(うちDVDなど16本)
 日本映画26本(うちDVDなど10本)←カウントアップ

旧作:2021年以前の作品:85本
 外国映画60本(うち劇場鑑賞 4本)
 日本映画25本(うち劇場鑑賞 5本)
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