『死刑にいたる病』:塀の中の愉快犯 @DVD

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昨年5月に公開され、スマッシュヒットを記録した『死刑にいたる病』、DVDで鑑賞しました。
前置きなしで、さて、映画。

受験に失敗し、不本意なランクの大学に通う青年・雅也(岡田健史)。
理想を掲げてみても、周囲からはかえってバカにされる身。
そんなある日、彼のもとに届いた1通の手紙は、連続殺人事件の犯人で死刑囚の榛村(阿部サダヲ)からのもの。
榛村は、雅也が中学生のときに通っていたベーカリーの店主で、ツラい日々を送っていた雅也に優しく接してくれていたのだ。
くだんの手紙には驚くべきことが書かれていた。
連続殺人事件のうち、最後の1件だけは自身の犯行ではない、他に犯人がいる、その事件の冤罪を晴らして真犯人を捕まえてほしい・・・と。

といったところから始まる物語で、塀の中のシリアルサイコキラーといえば『羊たちの沈黙』のハンニバル・"カニバル"・レクター博士を否が応でも思い出します。

ま、他の事件は認めた上で、1件の冤罪を晴らしてほしいと訴える、というのは妙なハナシで、「連続殺人犯にも倫理的に容認できないところもあるのかしらん。そういう異常心理モノかしらん」という期待で見続けましたが・・・

えええ、そっち方向。

いや、それは、いくらなんでも非道すぎるだろう。
情け容赦ないサイコキラーぶりだ。

そういえば、レクター博士もグラハム刑事やクラリス捜査官を事件解決に導きつつ心理的にいたぶっていましたね。
なので、オーソドックスともいえる決着点なのだけれど、とにかくイヤぁな感じが強く残ります。

個人的には、阿部サダヲはミスキャストと感じました。
好いひとを演じることも多い阿部サダヲですが、基本的に、このひと、目がいつも笑っていなくて、コワイ感じがしていました。
本作でも、ひとのいいベーカリーの店主のときから、なんだかこわかったです。

それなりに面白いんですけど、ちょっとお勧めするのは難しいかな。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。

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2023年映画鑑賞記録

新作:2023年度作品: 2本
 外国映画 0本(うちDVDなど 0本)
 日本映画 2本(うちDVDなど 0本)

旧作:2022年以前の作品: 2本
 外国映画 1本(うち劇場鑑賞 0本)
 日本映画 1本(うち劇場鑑賞 0本)←カウントアップ
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