『ブラック・フォン』:フィニーの冥界脱出作戦、なんてタイトルは付けちゃダメよ @DVD

昨年7月に公開されたアメリカ映画『ブラック・フォン』、DVDで鑑賞しました。
リメイク版『炎の少女チャーリー』と連続公開されていましたね。
製作も同じくブラムハウス。
原作はジョー・ヒルの短編小説『黒電話』(未読)。
ジョー・ヒルは、スティーヴン・キングの息子ですね。
さて、映画。
70年代米国コロラド州の田舎町。
この町では、子どもの連続失踪事件が起きていた。
男子中学生のフィニー(メイソン・テムズ)は、どちらかといえば気が弱く、勝気な妹に助けられることもしばしば。
とはいえ、野球の試合では、まぐれとはいえ、相手の日本人剛速球投手の球をホームランに弾き返したこともある。
そんなある日の帰宅途中、黒い風船をたくさん積んだバンからマジシャンと名乗る覆面男(イーサン・ホーク)に、無理やり車中へ引きずり込まれ、ぬ地下室らしきところに監禁されてしまう。
そこにあるのはベッドと断線した壁掛け式黒電話だけ・・・
といったところから始まる物語で、前半の70年代の田舎町の描写が秀逸。
飲んだくれの父親は暴力親父、妹の勝気さ、フィニーの気の弱さと彼に少なからず恋心を抱いている優等生少女とか。
勝気な妹がときおり見る夢が正夢となる話は後半への伏線なのは、まぁ気が付くよね。
さて監禁されたフィニーだが、断線した黒電話が鳴り響き、行方不明となった少年たちからの声が届く。
すでに殺されてしまったようなのだが、彼らは地下室の一隅にいくつか脱出のヒントがある、と告げ、フィニーはその声に従って行動する。
しかし、いつも障碍にぶつかり、断念してしまう・・・
黒電話からの声は冥界からの声といいたホラー描写なのだが、声の主と一体化したりする描写もあって、フィニーの「内なる声」とみることもできる。
妹のドリーミング能力がミスリードの役割を果たしている。
一方、お定まりの警察の捜査活動だが、お約束どおり手がかりを得ることは出来ない。
操作途中、フィニーが夢で見た家と同じ外観の家(というのは観客だけがわかっている。警察は知らない)から出てきたのは、連続少年失踪事件を独自捜査しているという青年。
彼が、なかなかのコミックリリーフの役割を演じている。
最後は、妹の特殊能力、フィニーにこれまで断念した脱出計画がピタリとハマるのだ、この場面の演出タイミング、息の良さは見事。
監督は『ドクター・ストレンジ』『エミリー・ローズ』『NY心霊捜査官』のスコット・デリクソン。
この手のジャンルでの佳作が多い監督ですね。
評価は★★★☆(3つ半)としておきます。
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2023年映画鑑賞記録
新作:2023年度作品: 4本
外国映画 1本(うちDVDなど 0本)
日本映画 3本(うちDVDなど 0本)
旧作:2022年以前の作品: 11本
外国映画 6本(うち劇場鑑賞 0本)←カウントアップ
日本映画 5本(うち劇場鑑賞 0本)
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この記事へのコメント
私はこれとても面白かったです。正に佳作。
兄妹という設定も良かったですよね。
コメントありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。