『デューン/砂の惑星 TV放映長尺版』:やたらに湿度の高い砂の惑星だなぁ @DVD

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1984年製作のデイヴィッド・リンチ監督『砂の惑星』のTV放映長尺版、DVDレンタルで鑑賞しました。
レンタルしたDVDのタイトルは『デューン/砂の惑星 TV放映長尺版』となっており、上下巻2枚組でした。
配信されていないので、観るのはDVDを頼るしかありません。
さて、映画。

映画のストーリーは割愛して、情報を少々。
本長尺版が製作されたのは、映画製作から10年経った1994年。
映画版が137分で、本長尺版は190分。

なので、追加シーンがほとんどかと思いきや、映画版からいくつかのシーンが削られ、映画版で棄てられたシーンが追加。
削られたシーンで顕著なのは、冒頭のイルラン姫の語りで、この語りは原作小説の各節の最初に示されているもの。
これはいただけない。
かわりに静止画、絵コンテが挿入されていて、安っぽい感じが否めない。

また、過激な残酷描写の類もカットされているが、こちらは放送コードに抵触するのだろう。

ということで、デイヴィッド・リンチはこの長尺版には納得できないので、アラン・スミシー監督名義になっています。

さらに、画面サイズもクレジット部分は映画と同じくシネスコだが、本編はスタンダードサイズへのトリミング。
迫力に欠けることおびただしい。

ということで、この長尺版は「観ることで満足」という類の映画かしらん。

映画的なバランスでいうと、前半が長い。
アトレイデス家の襲撃がはじまるところまでが前半。
そのため砂の惑星アラキスの描写が少ない。
さらに、登場人物の多くが終始汗まみれで、やたらに湿度が高い。
公開当時に賛否があったラストの雨については、登場人物たちの汗が蒸結して雨になったのではないかしらん、と思うほど。
また、後半が駆け足なので、宗教と政治が結びつき、結果、砂の惑星の歴史、ひいては人類宇宙の歴史が変貌していく感が乏しくなっている。

さて、今夏、劇場公開版がリストアされてリバイバルされるので、劇場版との差異も検証したいところですね。

評価は、★★★☆(3つ半)としておきます。

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2024年映画鑑賞記録

新作:2024年度作品:20本
 外国映画19本(うちDVDなど 1本)
 日本映画 1本(うちDVDなど 0本)

旧作:2023年以前の作品:33本
 外国映画30本(うち劇場鑑賞 8本)←カウントアップ
 日本映画 3本(うち劇場鑑賞 0本)
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