『デューン 砂の惑星』(2000年・TVM):キャストなど弱体なんだけど、原作の要素は活かされているね @DVD

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2000年製作のテレビシリーズ『デューン 砂の惑星』、DVDレンタルで鑑賞しました。
監督・脚本はジョン・ハリソン
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督『デューン 砂の惑星 PART2』に出資し、エグゼクティブ・プロデューサーとしてクレジットされています。
全3回で各回100分ほど。
DVDも上中下の3巻組で、『上巻:大いなる砂漠の民』『中巻:呪われし砂漠の民』『下巻:神獣・砂漠の守り神』の日本版副題が付けられています。

ストーリーは割愛して、キャストのみ。

ウィリアム・ハート(レト・アトレイデス公爵)
アレック・ニューマン(ポール・アトレイデス)
サスキア・リーヴス(レディ・ジェシカ)、
イアン・マクニース(ハルコンネン男爵)
ジャンカルロ・ジャンニーニ(皇帝シャッダム4世)
ジュリー・コックス(皇女イルラン)
ウーヴェ・オクセンクネヒト(スティルガー)
バーボラ・コディトヴァ(チャニ)

ビリングのトップはウィリアム・ハートだが、アトレイデス公爵は前半、砂の惑星アラキスに到着後、ハルコンネン男爵軍の襲撃に遭って死んでしまうので、中盤以降は、ちらっと登場する程度。

ポール役のアレック・ニューマンは若々しさも乏しく、アメリカンフットボールのQB・主将あたりが似合いそうな青年で、リンチ版、ヴィルヌーヴ版のふたりと比べると魅力に欠ける。

ということで、キャストは弱体。
美術デザインも、古代ローマや古代中国、戦国期の日本などの要素を取り入れて、さながら舞台衣装のよう。
ま、これはこれで面白く、特に女性陣の冠が蝶をモチーフにしており、視覚的に興味深い。
セットも西洋・中東・東洋の混交様式。

ドラマ的にはヴィルヌーヴ版よりも原作に近く(といっても、原作まだ途中までしか読んでいないのだが)、ヴィルヌーヴ版で省略されたポールの妹アリアも登場する。
その他、ポールとチャニとの間に息子で生まれ、ハルコンネン男爵軍に殺されてしまうエピソードがあるが、これは原作にあるのかどうか。
最終的にはポールは正妃として皇女イルランを迎えるが、チャニは妾妃として愛することを誓う結末もヴィルヌーヴ版とは異なる(リンチ版とも異なるが)。

尺が長い分、わかりやすくなったのは、皇帝が治める大公家たちと星間航行を管理するギルドとベネ・ゲセリットの女性たちの三すくみ関係で、あれれ、これはリンチ版のテレビ放映長尺版でのことだったか?

戦闘シーンなどの特撮も貧弱だけれど、後半、物語として際立ってくる宗教と政治が結びつきが、映画版よりも色濃く出た感がありました。

エグゼクティブ・プロデューサーは、スティーヴン・キング小説の映画化でおなじみのリチャード・P・ルビンスタイン
撮影はヴィットリオ・ストラーロ、音楽はグレーム・レヴェル
アメリカ・カナダ・ドイツの合作。

なお、2003年に続編シリーズが製作されていますが、こちらは本作以上に観るのが困難。

評価は、★★★(3つ)としておきます。

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